チェコ産ガラスボタン

チェコ・ボヘミア地方は昔からガラス生産が盛んでした。特に北ボヘミア地方では今日に至るまでガラス製造工場や工房が数多く残っています。しかしそれらの工場や工房も、安価な機械生産や人工材料の波に押され徐々にその数が減ってきています。手作業によるものづくりは、その作業工程においてたくさんの人々の手に触れられて封じ込められた不思議な力の価値を認める人たちの需要で成り立っています。

通信販売Maslickaよりお選びいただいたご希望の柄にご自由にガラス色や絵付色を組み合わせて注文していただくことが可能です。

Matrice pro výrobu mačkacích forem

押し型を作る元型

Mačkací kleště

押し型をつけてガラスを押すペンチ

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ガラスの素材を約900度に加熱する

ガラス素材を加熱して、一回でボタンを3個まで作ります。

ガラス素材を加熱して、一回でボタンを3個まで作る

第一工程が終わったガラスボタンです。しばらくはまだオーブンの上段で冷やしてから冷却オーブンに移ります。

第一工程が終わったガラスボタン     しばらくオーブンの上段で冷やしてから冷却オーブンに移す

そのような手工芸品のひとつがガラスボタンです。昔はヤブロネッツ・ナド・ニソウ周辺の村の生活の糧でした。今日では数人の活動的なシニアたちのノスタルジックな仕事になっています。ヤブロネッツ・ナド・ニソウからアフリカへ持ち込まれ奴隷との交換に使われたガラスビーズ生産と共に、ガラスボタンは屋外での仕事ができない時季の各家庭での手仕事のひとつでした。ガラス材料を溶かす小さなかまどはどの家にもあったものです。

ガラスボタン生産の技術はいたってシンプルです。様々な色が組み合わさり溶かされたガラス棒が専用のペンチでボタン型に押され切り離されていきます。ペンチは巧妙にできており、一握りする毎に備え付けられた針が動き、ボタン型に切り離す時点で既にボタン裏側の糸通し穴が開く仕組みになっています。その後、縁を削って丸く滑らかにし、色付け工房に送られます。色付け工房ではボタンがひとつずつ、回転台の上に置かれ、その上で筆または手で決められた配色に色付けされていきます。

言うまでもなく最も高価なものは多面カットされたボタンです。これは黒ガラスから作られ、艶のある多面カットに削り上げられています。とてもエレガントなボタンであるため、コートなどによく合います。

これまでガラスボタンは120個単位で生産されてきましたが、今日では生産・注文ともに1種類につき60個単位となりました。様々なサイズがございますが、同種類であればどのサイズでもお値段は変わりません。伝統的なボタンサイズの表記は下表に示されています。

サイズ直径 (mm)
614
818
1023
1227
1432
1636
1840,5

今日に至るまで、ガラスボタンは昔同様の製法で作られており、押し型の種類や色の選択は以前より、増々豊富になっています。この様な選択肢の多さはコレクターにとってとても魅力的であるため、ガラスボタンは実用目的の他に収集目的にもなっています。ボタンは飾りとしてTシャツやバッグに縫い付けたり、ブローチとして使用されたりもします。最近では糸通し穴なしのボタンも作られており、ネックレスとしても楽しまれています。

ボタンのエッジに残る余分なガラスを切り取る工程。

ボタンのエッジに残る余分なガラスを切り取る工程

できらボタンのエッジを砥石で研ぐ。これだけは半自動機です。

できたボタンのエッジを砥石で研ぐ    これだけは半自動機で行う

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このような工房はチェコからほぼなくなりつつある       オーブンは灯油で暖める

Ruční barvení

色付け工程は手作業

通信販売Maslickaよりお選びいただいたご希望の柄にご自由にガラス色や絵付色を組み合わせて注文していただくことが可能です。