防染糊とインディゴを使用した白抜きの藍染(防染法)は既に紀元前2,000年前に中国で行われていました。当初、防染糊はスタンプで押されていましたが、紀元前6世紀には型紙が使用されていた事がわかっています。型紙を使った防染法は、今日に至るまで日本の藍染で見ることができます。白抜きの染色法としては他に、絞り染めが挙げられますが、絞り染めではそれほど細かくはっきりした模様を作り出す事はできません。
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ヨーロッパで初めて白抜きのインディゴ染めがされたのは6世紀でした。白抜き技法とインディゴはシルクロードを通ってヨーロッパにもたらされ、17世紀になってから大いに発展し開花しました。まずはオランダ人が藍染め布を作り始めました。ヨーロッパではもともと油絵の具による直接法で染色されていましたが、技法としては不完全であったため、藍染めが従来の技術に取って替わられるようになりました。チェコへは18世紀になってから藍染めが伝わりました。
チェコで藍染めは当初ブルジョワ階級に広まり、貴族の間で人気のあった高級な織模様に着想を得た模様が施されていました。技術の習得と、一般の職人たちが染色型を製作できるようになった事、そして人工インディゴの発明によって藍染めは多くの階級の人々に広まり、ついには民族衣装の一部になりました。民間工芸における藍染めの特徴の一つとして、地域性の表現が挙げられます。それぞれの地方でその土地の職人、あるいは染色職人自らが作った型を用いていたため、地方によって模様が異なり、それが特色ある地域性を生み出しました。チェコでの藍染めは19世紀に入って最も大きな発展を遂げました。その後、染色工場での多様で手の込んだ型を使った藍染めが職人仕事に取って替わられるようになりました。現在ではチェコ国内に手染め工場は2軒しか残っていません。
チェコでは飾り物にはリンネルの布が使われており、その多くは家庭で織られていた為、目は粗い物でした。後に、工場生産された木綿の布にも藍染めが施されるようになりました。使用される型は布の性質によって決められました。目の粗いリンネル生地には、とりわけ木を彫って作られた粗めの模様の型、目の細かい木綿生地には細かい模様が施された金属の型が使用されました。
チェコ国内で防染糊はカオリンとアラビアガム、その他企業秘密である材料を混ぜて作られています。最も重要なコツは最適な濃度に防染糊を作ること。それによってはじめて、布地に完全に密着し、染色時の耐性も得る事ができます。染色工程の後、布地は硫酸を混ぜた冷水で洗われます。硫酸は防染糊の完全な除去だけでなく、染色されなかった白色部分の漂白効果も持ち合わせています。洗いが終わったら屋外で柵に干されました。染色工房の周りは常に美しく飾られていた事になりますね。
仕上げに糊付けとアイロン加工がなされ、時によっては艶出しのため表面に蜜蝋が塗られる事もあります。
模様はそれぞれの地方特有の柄が使われていますが、興味深いのは日本とチェコの伝統文様に明らかに類似している点があるという事です。模様に興味をお持ちの方にインターネット最大チェコ藍染模様収集を用意いたしました。こちらです。
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工房から、工程をわかる写真
型のいろいろ
新しくできたモドロティスクの製品